LM Studio -0.3.23とopenai/gpt-oss-20bを使用して、ウィンドウズ機からラズベリーパイ上でPythonファイルを操作する方法を聞いてみた。
Q:windows11のパソコンから、VScodeを使用して、ラズベリーパイ上のPythonファイルを操作したいので、環境構築方法を教えてください。
A:
概要
Windows 11 の PC から Visual Studio Code (VS Code) を使い、Raspberry Pi 上の Python ファイルを開いて編集・実行するだけでなく、デバッグやパッケージ管理も同じエディタ内で完結できるようにします。
以下は「Remote‑SSH」拡張機能を中心にした手順です。
目的 | 手順 |
---|---|
1. VS Code をインストール | 公式サイトからインストーラをダウンロード → インストール |
2. Remote‑SSH 拡張機能を追加 | VS Code の拡張機能ビューで「Remote - SSH」を検索してインストール |
3. Raspberry Pi に SSH 接続設定 | キーペア生成、authorized_keys 設定 |
4. Python 環境の準備 | 必要なパッケージを pip install で入れる |
5. VS Code からリモート接続 | Remote‑SSH で Pi に接続し、Python ファイルを開く |
1. Windows 11 への VS Code インストール
公式サイト
https://code.visualstudio.com/download → 「Windows」→「64-bit .zip」をダウンロード(または MSI を選択)。ZIP を展開し、
Code.exe
を起動。初回起動時に言語設定・拡張機能の推奨を聞かれますので任意で設定。
2. Remote‑SSH 拡張機能を追加
- VS Code 左側バーから Extensions (四角いアイコン) をクリック。
- 検索ボックスに
Remote - SSH
と入力 → Microsoft が配布している拡張機能を選択。 - Install ボタンでインストール。
- インストール完了後、左下の青いアイコン(>)をクリックし、「Remote-SSH: Connect to Host...」を選びます。
3. Raspberry Pi に SSH 接続設定
(a) Pi の IP アドレス確認
# ターミナルで実行
hostname -I # 例: 192.168.1.55
(b) Windows から SSH キー生成(PowerShell)
ssh-keygen -t ed25519 -C "your_email@example.com"
# デフォルトの保存場所 (~\.ssh\id_ed25519) をそのまま OK
id_ed25519.pub
が公開鍵。
(c) 公開鍵を Pi にコピー
scp ~/.ssh/id_ed25519.pub pi@192.168.1.55:~
# ここでパスワードを入力(Pi のユーザー名は通常 `pi`、デフォルトのパスワードは `raspberry`)
(d) Pi 側で公開鍵を登録
ssh pi@192.168.1.55 # パスワード認証でログイン
mkdir -p ~/.ssh
chmod 700 ~/.ssh
cat ~/id_ed25519.pub >> ~/.ssh/authorized_keys
chmod 600 ~/.ssh/authorized_keys
rm id_ed25519.pub
(e) VS Code の SSH 構成ファイルにホスト追加
VS Code を起動し、左下の青いアイコン > Remote-SSH: Open Configuration File...
→ config
を選択。
Host raspberrypi
HostName 192.168.1.55 # 実際の IP アドレスに置き換えてください
User pi # Pi のユーザー名
IdentityFile ~/.ssh/id_ed25519 # Windows の秘密鍵パス
4. Raspberry Pi 上の Python 環境準備
(a) 基本的なパッケージをインストール
sudo apt update
sudo apt install python3 python3-pip python3-venv -y
(b) 仮想環境(オプション)
プロジェクトごとに隔離したい場合は仮想環境を作成します。
# プロジェクトディレクトリへ移動または作成
mkdir ~/myproject && cd ~/myproject
python3 -m venv .venv
source .venv/bin/activate # activate するとプロンプトが変わる
pip install --upgrade pip setuptools wheel
(c) 必要なパッケージをインストール
# 例: Flask, pandas など
pip install flask pandas
5. VS Code から Raspberry Pi に接続
- 左下の青いアイコン(>)をクリック → Remote-SSH: Connect to Host... →
raspberrypi
を選択。 - 接続確認ダイアログが出たら OK。
- 接続後、VS Code のステータスバーに「SSH: raspberrypi」と表示されます。
ファイル操作
- Explorer で Pi 上のファイルシステムをブラウズできます。
- 任意の Python ファイル (
*.py
) をダブルクリックして開くと、ローカルエディタとして扱われます。
ターミナル
- VS Code の
Terminal → New Terminal
で リモートターミナル が起動します。 - ここでは Pi 上のシェルが実行されるので、Python スクリプトを直接走らせたり、仮想環境をアクティベートできます。
source .venv/bin/activate # 仮想環境を有効化
python script.py
デバッグ
Run → Add Configuration...
を選び、Python のデバッグ設定を作成。- 変数やブレークポイントを VS Code 内で管理しつつ、Pi 上で実行されるようになります。
よくあるトラブルと対策
問題 | 原因 | 解決策 |
---|---|---|
SSH 接続がタイムアウト | Pi がネットワークに接続できていない | Wi‑Fi のSSID・パスワードを確認。Pi の ifconfig で IP を再確認。 |
パーミッションエラー (Permission denied (publickey) ) | 秘密鍵が正しく設定されていない、または権限不足 | chmod 600 ~/.ssh/authorized_keys と chmod 700 ~/.ssh を実行。 |
Python が見つからない | PATH が通っていない | /usr/bin/python3 のフルパスを指定するか、仮想環境のアクティベーションを忘れずに。 |
VS Code が Pi 上でファイルを書き換えられない | authorized_keys に書き込み権限がない | chmod 600 ~/.ssh/authorized_keys を再確認。 |
まとめ
- VS Code と Remote‑SSH 拡張機能を Windows 11 にインストール
- Pi の SSH キー認証を設定
- VS Code の
config
ファイルでホスト情報を登録 - Raspberry Pi 上に Python + 必要パッケージ(仮想環境可)を用意
- VS Code からリモート接続し、エディタ・ターミナル・デバッグを同じ UI で操作
これで Windows 11 の PC から Raspberry Pi 上の Python 開発がシームレスに行えるようになります。
Happy coding! 🚀
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