2025年8月26日火曜日

VScodeでラズパイに接続

LM Studio -0.3.23とopenai/gpt-oss-20bを使用して、ウィンドウズ機からラズベリーパイ上でPythonファイルを操作する方法を聞いてみた。

Q:windows11のパソコンから、VScodeを使用して、ラズベリーパイ上のPythonファイルを操作したいので、環境構築方法を教えてください。

A:

概要

Windows 11 の PC から Visual Studio Code (VS Code) を使い、Raspberry Pi 上の Python ファイルを開いて編集・実行するだけでなく、デバッグやパッケージ管理も同じエディタ内で完結できるようにします。
以下は「Remote‑SSH」拡張機能を中心にした手順です。

目的手順
1. VS Code をインストール公式サイトからインストーラをダウンロード → インストール
2. Remote‑SSH 拡張機能を追加VS Code の拡張機能ビューで「Remote - SSH」を検索してインストール
3. Raspberry Pi に SSH 接続設定キーペア生成、authorized_keys 設定
4. Python 環境の準備必要なパッケージを pip install で入れる
5. VS Code からリモート接続Remote‑SSH で Pi に接続し、Python ファイルを開く

1. Windows 11 への VS Code インストール

  1. 公式サイト
    https://code.visualstudio.com/download → 「Windows」→「64-bit .zip」をダウンロード(または MSI を選択)。

  2. ZIP を展開し、Code.exe を起動。

  3. 初回起動時に言語設定・拡張機能の推奨を聞かれますので任意で設定。


2. Remote‑SSH 拡張機能を追加

  1. VS Code 左側バーから Extensions (四角いアイコン) をクリック。
  2. 検索ボックスに Remote - SSH と入力 → Microsoft が配布している拡張機能を選択。
  3. Install ボタンでインストール。
  4. インストール完了後、左下の青いアイコン(>)をクリックし、「Remote-SSH: Connect to Host...」を選びます。

3. Raspberry Pi に SSH 接続設定

(a) Pi の IP アドレス確認

# ターミナルで実行
hostname -I   # 例: 192.168.1.55

(b) Windows から SSH キー生成(PowerShell)

ssh-keygen -t ed25519 -C "your_email@example.com"
# デフォルトの保存場所 (~\.ssh\id_ed25519) をそのまま OK
  • id_ed25519.pub が公開鍵。

(c) 公開鍵を Pi にコピー

scp ~/.ssh/id_ed25519.pub pi@192.168.1.55:~
# ここでパスワードを入力(Pi のユーザー名は通常 `pi`、デフォルトのパスワードは `raspberry`)

(d) Pi 側で公開鍵を登録

ssh pi@192.168.1.55   # パスワード認証でログイン

mkdir -p ~/.ssh
chmod 700 ~/.ssh
cat ~/id_ed25519.pub >> ~/.ssh/authorized_keys
chmod 600 ~/.ssh/authorized_keys
rm id_ed25519.pub

(e) VS Code の SSH 構成ファイルにホスト追加

VS Code を起動し、左下の青いアイコン > Remote-SSH: Open Configuration File...config を選択。

Host raspberrypi
    HostName 192.168.1.55      # 実際の IP アドレスに置き換えてください
    User pi                    # Pi のユーザー名
    IdentityFile ~/.ssh/id_ed25519   # Windows の秘密鍵パス

Tip: Host は好きな名前で OK。
もし Wi‑Fi が頻繁に変わる場合は HostName を DHCP 固定 IP に設定しておくと便利。


4. Raspberry Pi 上の Python 環境準備

(a) 基本的なパッケージをインストール

sudo apt update
sudo apt install python3 python3-pip python3-venv -y

(b) 仮想環境(オプション)

プロジェクトごとに隔離したい場合は仮想環境を作成します。

# プロジェクトディレクトリへ移動または作成
mkdir ~/myproject && cd ~/myproject

python3 -m venv .venv
source .venv/bin/activate   # activate するとプロンプトが変わる
pip install --upgrade pip setuptools wheel

(c) 必要なパッケージをインストール

# 例: Flask, pandas など
pip install flask pandas

Tip: requirements.txt を使うと再現性が高くなります。

pip freeze > requirements.txt

5. VS Code から Raspberry Pi に接続

  1. 左下の青いアイコン(>)をクリック → Remote-SSH: Connect to Host... → raspberrypi を選択。
  2. 接続確認ダイアログが出たら OK。
  3. 接続後、VS Code のステータスバーに「SSH: raspberrypi」と表示されます。

ファイル操作

  • Explorer で Pi 上のファイルシステムをブラウズできます。
  • 任意の Python ファイル (*.py) をダブルクリックして開くと、ローカルエディタとして扱われます。

ターミナル

  • VS Code の Terminal → New Terminal で リモートターミナル が起動します。
  • ここでは Pi 上のシェルが実行されるので、Python スクリプトを直接走らせたり、仮想環境をアクティベートできます。
source .venv/bin/activate   # 仮想環境を有効化
python script.py

デバッグ

  1. Run → Add Configuration... を選び、Python のデバッグ設定を作成。
  2. 変数やブレークポイントを VS Code 内で管理しつつ、Pi 上で実行されるようになります。

よくあるトラブルと対策

問題原因解決策
SSH 接続がタイムアウトPi がネットワークに接続できていないWi‑Fi のSSID・パスワードを確認。Pi の ifconfig で IP を再確認。
パーミッションエラー (Permission denied (publickey))秘密鍵が正しく設定されていない、または権限不足chmod 600 ~/.ssh/authorized_keys と chmod 700 ~/.ssh を実行。
Python が見つからないPATH が通っていない/usr/bin/python3 のフルパスを指定するか、仮想環境のアクティベーションを忘れずに。
VS Code が Pi 上でファイルを書き換えられないauthorized_keys に書き込み権限がないchmod 600 ~/.ssh/authorized_keys を再確認。

まとめ

  1. VS Code と Remote‑SSH 拡張機能を Windows 11 にインストール
  2. Pi の SSH キー認証を設定
  3. VS Code の config ファイルでホスト情報を登録
  4. Raspberry Pi 上に Python + 必要パッケージ(仮想環境可)を用意
  5. VS Code からリモート接続し、エディタ・ターミナル・デバッグを同じ UI で操作

これで Windows 11 の PC から Raspberry Pi 上の Python 開発がシームレスに行えるようになります。

Happy coding! 🚀

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